2016年に読んだ本を振り返る(小説編)

書籍

今年ももうそろそろ終わるということで、今年読んだ本を紹介したいなとずっと思っていたのですが、うまい方法が見つからないので、読んだ本を書き連ねて行こうかなと思います。読んだ順番は正確には覚えていないので、なんとなくでいきたいと思います。

新書や啓発本の類と小説をすべて合わせて紹介すると、あまり読書をしない僕でも結構な量になってしまうので、とりあえず小説のみということにします。

『君の膵臓を食べたい』住野よる

『また、同じ夢を見ていた』住野よる

「私みたいにならなくていいわ。私みたいになっちゃったら桐生くん、素敵な絵が描けなくなっちゃうわよ。私の描いたライオンを見て、お母さん太陽の塔って言ったのよ、嫌になっちゃう」

『よるのばけもの』住野よる

『羊と鋼の森』宮下奈都

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。俺はそう思うことにしてるよ」

『ラッシュライフ』伊坂幸太郎

非常階段を昇った父は、きっと最上階の二十階まで行く途中で疲れてしまったのだろう。途中で、「このあたりでも良しとするか」と思ったに違いない。それゆえの十七階だったのだ。ゴール手前八合目強。彼の人生はいつもそんなところで挫折した。

『重力ピエロ』伊坂幸太郎

「小賢しさの欠片もない」私は呟く。「この演奏者はきっと、心底ジャズが好きなんだ。音楽が」父がうなずく。「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」春は、誰に言うわけでもなさそうで、噛み締めるように言った。「重いものを背負いながら、タップを踏むように」
それは詩のようにも聞こえ、「ピエロが空中ブランコから飛ぶ時、みんな重力のことを忘れているんだ」と続ける彼の言葉はさらに、印象的だった

『死神の精度』伊坂幸太郎

「怖いさ」と私は嘘をつく。正直なところ、ラジオから流れる音楽が、森岡の声で聞こえなくなることのほうが怖い。

『砂漠』伊坂幸太郎

「それがいいんですよ。首尾一貫しているじゃないですか、大事なものはいつだって変わらないんだから。だいたいね、音楽性が変化していくなんて、迷いがある証拠ですよ。そうそう、ジョーイラモーンの名言を知ってますか?名言を」

『カラフル』森絵都

びっくりマークとクエスチョンマークを教室中にぶちまけたような沈黙。

『母性』湊かなえ

それなら、どうにかしようと試みてくれてもよかったのではないか。本棚に並んだ思想全集の中には田舎の一家族が幸せに過ごせるヒントは、何一つ書かれていなかったのだろうか。

『神様のカルテ』夏川草介

ちなみに脳外科の教科書によると脳には痛覚神経はないらしい。だから仮に麻酔なしで脳みそをぐちゃぐちゃにスプーンでかきまわしても、人は痛みを感じない。もちろん実際に試した人はいないし、試してから「痛いですか?」と聞いて返事ができたら、それは人間ではない。

『三毛猫ホームズの夏』赤川次郎

『ラメルノエリキサ』渡辺優

篠田弟の右目から、するっと涙が落ちた。ああ、嫌だ。本当に泣かれるとすごく嫌だな。マザコンの涙なんて見たくない。鏡を見ている気分になる。

『楽隊のうさぎ』中沢けい

「和声理論の権化だ」

『盤上の夜』宮内悠介

「わたしの考えというのは、こうなのです。人々を救うものとは、いったいなんなのか。教えや真理といったものなのか。そうではない、とわたしは思いました。教えや真理に打たれ、救いを見出す人も大勢いるでしょう。ですが、その人たちが帰った先にあるのは、生活です。人は、生活をしなければならない。それは、志を折ったり、あるいは真理から目を背けさせるのに充分なものです」

『砕け散るところを見せてあげる』竹宮ゆゆこ

『知らない映画のサントラを聞く』竹宮ゆゆこ

逃げ込むように。必死に。溺れてしまわないように。どれほどの重みを抱えても、苦しくても、無様にもがくしかない。それしかできない。さもなくばどこまでも沈んで、二度と浮かび上がれない。

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振り返りと感想

読書ノートを取っているので、引用が残っているものは少し載せてみました。みなさんがまだ読んでいない本に少しでも興味を持ってくれたらうれしいです。

というわけで、2016年に読んだ本は、小説のみを数えると上記の17冊ということになります。そこに、現在進行形で読んでいる数学ガール(フェルマーの最終定理)を入れると18冊になります。もっとも、数学ガールは以前に読んで今は読み直しているものですので、新たに読んだ本という意味ではやはり上の17冊ですね。

まず、1年に1冊も本を読まなかった僕が17冊もの小説を読むことが出来たのは、これほどの素晴らしい作品と出会えたことそれ自体がとても大きい出来事だったと思います。特に、小説を読むきっかけとなった住野よる先生の『君の膵臓を食べたい』と先生には心から感謝したいです。2016年に初めて読んだ小説がこれでとてもよかったと感じています。

それからは住野よる作品と伊坂幸太郎作品を中心に味わいました。住野よる先生の小説は3冊とも読みました。伊坂作品は数が多くまだまだ追いついていませんが、是非全作品読みたいと思っています。今年に読んだ伊坂作品の中ですと、死神の精度と砂漠が特にお気に入りですね。

小説といっても純文学、エンタメ、ミステリ、SFと様々なものがありますが、今年はそれらを幅広く読むことができたのではないかなと振り返ってみて思います。ラノベも何冊か読むことができました。

まだまだ本棚には読んでいない本が沢山積んでありますが、きっとまた来年も積み本を増やしつつ崩しつつ読書を楽しんでいけるのではないかなと思います。

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