さあ、久々の自分語りだ。
タイトルの通り、今回は元ベーシストとして、バンドにおける”ベース”というパートの音作り、ひいては役割みたいなものについて話して行きたい。
と言っても、これは飽くまで僕個人の見解というか考え方であって、これが正解というつもりは毛頭無いし、「その辺の大学生のオッサンが自己顕示のために何かほざき倒してやがる」くらいに思っていただいて差し支えない。
そんなに大した話をするつもりもないぞ!
これからベースを始めようとしている中高生や、今までベースという楽器を弾いてきたけれども、いまいちバンド内での役割がはっきりしないとか、それゆえあまりバンド練習が楽しくないとか、そういった人たちに向けて、何か手助けになればと思って書くことにする。
もう一度言っておくが、これは飽くまで僕の考え。正解じゃない。
自分の主張を殺すな
バンド内において”ベース”というパートとして確立するためには、なんといっても「自分の主張」を持たなければならない。ドラムと共に感じるビートなのか、ボーカルの裏で感じるグルーヴなのか、ギターに対抗するフレーズなのか。
はたまた、具体的でなくとも「こういう風にベースが弾きたい」というイメージのようなものが無いことには、自分はただバンド内でベースを「弾かされているだけ」になってしまいかねない。
ベースを始めた経緯を再考すべし
そこで、「どうして自分がベースという楽器を始めることになったのか」を改めて考えて見ると良いだろう。バンドにはドラムもボーカルもギターも、なんならキーボードもいる。その中でどうして自分がベースを選んだのか?たとえ友達同士で始めたバンドで、消去法的にベースを始めたとしても、ベースに全く魅力を感じないままだったとしたら、あなたは今この記事を読んでいないのではないか?
自分がベースという楽器のどこに魅力を感じたのか、考え直せば、自分の主張が見つかるかもしれない。
周りのパートを殺すな
自分の主張と共に、殺してはならないのが周りのパートである。ベースは非常にパワーが強く、ともすればボーカル含めあらゆるパートを飲み込んでしまえるようなポテンシャルを秘めている。それをなんとか我慢して、自分の主張を押し通しつつ、他のパートを生かさなければならない。
たまに自分の主張だけ押し通して、他のことを何も考えないベーシストがいたりするが、それは見当違いだ。
僕にとってのベースという楽器は、ギターやボーカルを、ドラムと一緒に足の裏から支えつつ、彼らの音に隙間が出来れば、すかさずグルーブを叩き込むような楽器であると考えている。聴こえるべきところで聴こえて、それ以外の部分ではボトムを支える。響きで感じる楽器だ。
謙虚であれ、そして、欲張りであれ
ベーシストは傲慢であってはならない。ともすれば先述したように他のパートを殺しかねない。ベーシストはバンドメンバー殺人鬼ではない。むしろバンドメンバーを最高の状態にまで生かすプリーストのような存在でなければならない。そのため、ベーシストは謙虚であるべきである。自分の実力を驕ってはならない。日々真摯にリズム練、基礎練を積み続けることによって生まれる気持ちよさを感じて生きていくのだ。
それと同時にベーシストは強欲であるべきである。自分の主張を通しながら周りのパートを生かすための努力、研究を惜しまず、とにかくこれの追求に努めるように、欲に正直でなければならない。そう、「自分の気持ちよさのためならば、何でもする」といったように。
スラップも良いが、自分をよく見つめ直せ。
ベースには便利な自己主張の方法がある。それがスラップ奏法だ。ベースを始めてからしばらく経つと誰しもこの奏法にたどり着くわけで、その圧倒的な自己主張の強さに一瞬手も足も出なくなる。この感動を自分のものにすべくベーシストたちは明けても暮れてもスラップしかしなくなる、なんてことも少なくはないだろう。
確かにスラップは自己主張には持って来いだ。僕だってスラップ大好き人間だ。スラップだけで飯が3万杯くらい食える自信すらある。だが、スラップもほどほどにしようという話だ。スラップを使うオリジナル曲を作るのであれば良いが、そうでない場合、スラップはバンド単位で日常的に使うものではないので、ピック弾きや指弾きをしっかりと練習する時間を取らないと、それこそ「自己主張の悪魔に囚われたバンドメンバー殺し」になってしまう。
たまにスラップをするのは大変良いことだ。何にしても、やりすぎは禁物。
自分のベース論を展開すべし
さあ、ここまで読んできていかがだっただろうか。共感できるところもあれば、反対の意見を持つ部分もあっただろうし、あまり参考にならなかった人もいただろう。さて、そんなベーシストのみなさんにとって、ベースという楽器、ひいてはベーシストとしての役割はどういったものだろうか?
自分と向き合いながらベースを引くに連れ、自分の中で追求したいものもはっきりしてくることだろう。そうしたら、今度はあなたのベース論、ベーシスト論を是非展開していって欲しい。それを私に教えて欲しい。
そして私のことを「こんな当り障りのない記事を書きやがって」とどうか罵って欲しい。先に言っておくが、決してMではない。ベーシストと変態はほぼイコールではあるけれども。
ということで、未来あるベーシストのみなさん、今後も脳汁バリバリのフレーズとグルーブを響かせることに奔走していってください。
私はいろいろあって、現在音楽に絶望中なので、バンドや音楽からは離れているが、もしまた何か機会があれば是非帰ってきたいと考えている。
どうかその時まで、ベーシストの人口が減らないことを願うばかりである。
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