日商簿記1級の出題区分別重要性など【工業簿記・原価計算】

学習

前回の記事に引き続き、日商簿記1級の出題区分を参照しながら、重要な論点に絞ってコメントをしていきたいと思います。

前回の記事をご覧になっていない方は合わせてご覧いただければと思います。

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第九 部門費計算

5.補助部門費の製造部門への配賦

エ.複数基準配賦法 重要度A

補助部門費の配賦計算という意味で、やることは2級までと変わらず。変動費と固定費を分別することから計算の手間が生じる。しかも、大抵の場合、問題で聞かれるのは予算と実績の差異分析なので、更に計算に時間がかかる。一度腰を据えて差異分析まで構成されている問題を実際に解いてみよう。

第十 個別原価計算

5.仕損費の処理

イ.間接費とし、仕損の発生部門に賦課する方法 重要度A

個別原価計算で気をつけておくべき論点は強いてあげるならばここ。これまでは直接経費処理していた仕損費をなぜ間接費処理とするのか。また、その条件とは何かについて理解しておきたい。計算は仕損費を製品に賦課しなくていい分、少し楽という見方もできる。

第十一 総合原価計算

7.工程別総合原価計算

イ.(非累加法) 重要度A

累加法とは異なる月末仕掛品及び完成品原価の計算方法。工程別の費用を計算しているという意識をもって学習にあたることがポイントだろう。

8.(非度外視法) 重要度S

総合原価計算におけるトピックの1つは仕損費の処理であると私は考えているが、その大きな理由がこれ。総合原価計算では原則として仕損費を認識することはしないのだが、非度外視法ではそれを認識することになる。計算手続きも若干手間がかかり、はじめのうちはかなりミスも多くなることと思う。根気強く電卓を叩くべし。

11.連産品の計算 重要度S

総合原価計算から連結原価を計算させて、さらにそこから連産品の計算をさせるなんて問題がよくある。はじめのうちはうんざりすると思うが、まずは連産品に連結原価を正確に按分できるようになることが当面の目標だ。得意になってしまえば、それほど問題を繰り返し解かなくても力を維持できるようになる。

第十二 標準原価計算

2.標準原価計算の方法と記帳

オ.配合差異と歩留差異 重要度S

修パや標準における仕損・減損ももちろん大事だが、ここもよく出題される。まあここは計算パターンを掴んでしまえば基本的にやっていることは数量差異の計算なので、あまりのめり込みすぎないように。一歩引いた視点が大事。

歩留や歩減の読み方が全くわからなかった頃が懐かしい。

第十九 差額原価収益分析 重要度S

日商簿記1級の工業簿記・原価計算における大目玉と言っても過言ではないだろう。小項目に分けることなく、ここはすべてが重要である。

業務的意思決定においては何が差額原価となるのか。構造的意思決定においては何がキャッシュ・フローを構成するのか。これが1つでも間違うと数字がズレて終わり。かなり正確な計算技術が要求される非常に重要な論点である。日商簿記1級における原価計算は真っ先にここからマスターすべき。

おわりに

というわけで、2回にわたって日商簿記1級の重要論点についてコメントしていきました。正直各論点を掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げていけるので、どこまで記事で言及するか難しいところでした。そのため、簡便的な情報が多くなってしまったのはご容赦いただきたいと思います。

商業簿記・会計学の記事でも申し上げましたが、工業簿記・原価計算においても、特に取り上げたい論点については、別途おすすめの下書きなどを用意して、改めて記事を書きたいと思います。

2019年の日商簿記1級試験は11月17日(日)です。まだまだ余裕で間に合います。12月に会計士の短答を受ける人たちも、ここから本腰を入れるタイミングですので、そのつもりで学習に望んでいただきたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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